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2012-09-30(Sun)

金色のウニを求めて ⑦




第七話:そこにある危機   (著 ピラ)





そこは水を打ったような静けさであふれていました。

甲板ではまだ宴のバカ騒ぎが続いていますが、まるでTVの中の出来事のようなまるで向かいのアパートの痴話喧嘩
を聞くような、そんな別の世界。

緊急アラーム緊急を知らせる鐘の音がけたたましくなってますがそこの人々の耳には何も入っていませんでした。

ただひとつ。いいえ一匹。

人々はおびえと恐怖とあきらめの混じった目線を一点に注いでいました。

その先にあったのは。。。。。

--------------------------------------------------------------------------------


宴はとっくに佳境を迎えたはずでした。

ですがまだまだ飲み足りない船員達が甲板の上で踊り狂う。

ワイン樽に飛び込む。

決闘をやっては海に仲間を投げ込む。

そんな光景が世界の理を無視するが如く続いていました。

「ん?」

ほんの小さな異変。

こんな素敵な時間に華を添える、ほんの小さな小さな異変。

その異変に気付いた者がいました。

それは航海に慣れた航海士ではなく、

それは百戦錬磨の甲板員でもなく、

星を見てたちどころに方位が分かる測量士でもありませんでした。

「あはははw見てよフランシーヌちゃん( ´艸`)」

「おくたま、どしたでしゅか~?ウィ~♪」

「崖が目の前に迫ってるううううううぅぅぅぅぅ♪」

「ぁ、ホントでしね~。あははは。。。。」

「ちょ!!!!」

「ちょ!!!!」


「おい!フランシーヌ!自動航行装置はどうなってるんだ!!!」

「て、提督!ワタシにワインの用意させてる間に設定しておくって言ったじゃないですか!!!」

「ありゃ。。。。わっちの商船。。。実はまだ金が足らんので自動航行なんて入れられないんだ♪だからいじったこともない!(キリッ」

「えええええええええ!!!!!じゃ、じゃぁ誰が?」

「ええい!フランシーヌ!とにかく中央指令室へ!!」

「あい!!」

「あははははwwwフリーベルさんって走ると案外早い~♪」

「こ、これは。。。。」

中央司令室の中には誰もいませんでした。

ただ誰もがかつてない危機に直面していることを確信しました。

それはけたたましく鳴り響くエラー表示鐘の音が原因だったのか、無人だった司令室が持つ陰惨で不気味な光景も原因だったのかも知れません。

もしくは目の前に広がるジブラルタルの荘厳な崖の壁?

それとも中央司令室になくてはならない舵が折られて紛失していたこと?

いいえ。大きな原因はたったひとつ。

艦橋の中央に威風堂々と居並ぶ制御機器。

その上部にエラー表示が激しく点滅する中、目の前にあるキーボードの上では、、、、

「ニャン♪ニャン♪ニャニャーン!」

激しく明滅する多数のボタンの光を追う真っ黒い指、いえ足?

しなやかな肢体を優雅に舞わせながら華麗にボタンの上で踏むステップ。

「きゃあああああああああああああ!!!!ミーナ!なにやってるの?!」

「む、あのネコは。。。フランシーヌのか?!」

「いつもはワインの匂い嗅ぐと寄ってくるのに来ないからおかしいと思ってたら。。。」

「でも、、わっちにはなんだかとても楽しそうに見えるが。。。ひょっとして飲んでるんじゃないか?」

「あら?ミーナちゃん?ワタシ飲ませてあげたわよぉ?」

「おくたま?!」

「ソ、ソフィア!いつのまにそこに!」

「遅い!遅いわよ!フリーベルさん!やけに戻ってくるの遅いと思ったらこんなところで油売ってたのね!?」

「いや、今かつてない危機に。。って宴会どころぢゃないだろwwwおいフランシーヌ!あのネコなんとかしろ!!」

「ああなったミーナはワタシの手には負えないです。。。もぅ」

「ん?ミーナちゃんをこっちに呼べばいいの?」

「おくたまできるでしゅか?」

「どれだけミーナちゃんが小鳥襲うの防いだと思ってるのよ。もう慣れっこ♪だれかワインジョッキ持ってる?」

「へ、へい。。ここに」

「ありがと^^」

「ミーナ!アテンション!」

それまでの夢中なステップがはたと止まり、暗闇の中で大きな大きなふたつの瞳が声の主を注意深く探り始めました。

そこでその瞳に写ったものは。。。

暗がりの中、エラーランプの明かりの波に浮かぶワインジョッキ。

そのワインジョッキがゆっくりと弧を描きだすと暗闇で妖しく光る目はそれをゆっくり追い出しました。

そしてゆっくりとソフィアがタップを踏み始めると2つの光の輝きがことさら大きくなりました。

タップのテンポが徐々に速まるのと同様にワインジョッキの弧の動きが早くなり、、、

「タン、タン、タン、タン、タン」

「タンタンタンタンタンタンタン」

「タンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタン」

「タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ」

目に見えないくらいになった時、

「タタタタタタタタタタタタタタッタッタッタン!」

フギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!

二つの光が激しく宙に躍動すると同時に司令室内の光が消え、辺りは闇に包まれました。

カポーン

「きゃあああああああ!!!!ミーナちゃんすごい!またストライク~♪やっぱりワインジョッキネコでユーチューブに投稿できそうねwww」

「お、おくたま、、、ミーナに何仕込んでるでしゅか。。。。」

「フ、フリーベル提督。。。。崖が。。。崖がggggg」

「ええい落ち着け操舵長!とにかく舵を切れ!」

「舵ってたって。。。舵が。。舵が折れちまってるんですよおおおおおおおおお」

「何か、何か手はないのかあああああああああ」

「提督、、、あれは。。。」

ミーナが躍動した弾みなのか、何かのボタンが押されたためか、ボタンやエラーランプは消灯していました。

ただひとつのボタンだけ、赤く点灯したままになっていました。

そのボタンの表示は。。。

「フ、フランシーヌ。。。これタガログ語に見えるけど、、気のせいか?」

「提督にもそう見えるでしか?ワタシ、、ダメなんですよね、タガログ語。。」

「うむ、、、わっちもだ。。。」

ポチッ

「あら?何この赤いの?」

「ソフィア押してから聞くなああああああああああああああああ」

キューンキューンキューン

「こ、これは。。。総員!対衝撃にそなえ…!!!!」

ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョボボボボボボボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

周りの景色が一転して真っ白に変わると。。。。

ソフィアは昔を思い出しました。

世界が白一色に染まる冬。

ソフィアはその世界が訪れるたびにため息をついていました。

ソフィアの一時住んでいたストックホルムでは、

冬の訪れは家に閉じ込められることを意味していました。

薄暗い太陽が1日中、朝日も夕日も夜空もなくただぼやけた日差しを与え続けていました。

そんな太陽の日が差せばまだいい方で、大半は雪が家ごとソフィアを埋め尽くすように毎日毎日降り続いていました。

真っ白なはずの世界。

ソフィアがその世界を頭に思い浮かべると、その世界はいつも灰色でした。

ただ、この光は眩し過ぎました。

世界を照らす太陽の日差しにしては眩しく、そして熱過ぎました。

ようやく光が静まってきましたが振動が激しく、声を張り上げないと会話もできない中、ソフィアはただ恐ろしくてミーナを胸に抱きしめ床で震えていました。

「提督~!!!!これ、まさか波動砲じゃない?!」

「わっちも分からんがおそらくな!!!!だけど波動砲って変な音で発射するんだな!!!」

「なんか書いてる人が本物の波動砲って見たことないみたいですwww」

「フランシーヌ?誰が何を書いてるって?」

「え?提督?私なにか言いました?」

「む、空耳か?。。。それより崖は?!針路は?!」

二人が起き上がり辺りを見渡すと、

目の前には静かな海が広がっています。

ジブラルタルの崖は右に逸れ、西に針路が取れています。

まるで何事もなかったかのように船はまっすぐ進んでいます。

そのうちに制御機器に電気動力何かが戻ってきたらしく室内は明るくなりました。

「フ、フランシーヌ。。今船はどうなってるんだ?」

「予定航路をリスボンに向かってるみたいでし。。。でも波動砲は。。。?」

「ふぅ。どうやら波動砲の反動で船が回頭したようだな。」

「危なかった。。ですね。。」

「提督、皆さん。。お疲れさんでやした。後は俺が面倒見ますので向こうでお休みになってください」

「おぉ、航海長。悪いがそうさせてもらうことにするぞ。それにしても一人ここに残して宴会始めたはずだが。。。」

その時でした。

「ひゃっほー!!!!提督すげえええええええええええええ

「な、なんだわっちは何もしてないぞwwwwっておまえらまだ飲んでたのかww」

「提督がまさかセビリアの街に波動砲撃ちこむなんて思っても見ませんでしたぜ!!」

「さすが提督だぜ!かっこいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「。。。。。。。。。。え?」

右舷から見えるセビリアの町並み。

いつもと同じに見えるはずのその光景は。。。

港に停泊している帆船が焼け落ち造船所が跡形もなくなっていました。

「。。。。。。。。。。えっと?」

「提督。。これは。。。」

「えと、航海長君。もそっと。。速くならない?」

「ムリッス」

床でいつまでも震えるソフィアの顔を優しく嘗め回すミーナ。

ですがそれはレン様が優しく包み込んでくれたあの温もりには到底及びません。

その時、ソフィアの前の制御盤の影からゆっくりと男が起き上がりソフィアに優しく手を差し伸べました。

左手は後手に折れた舵をぶら下げながら。。。












~~~あとがき~~~



前の番のヒトがアイデアを温め続けていたってことは。。。
その次の番のヒトも温め続けてたってことですねっ!
お酒なくて書けたヽ(´ー`)ノ

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