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2012-08-15(Wed)

金色のウニを求めて③



第3話 かわいい泥棒    (著 ピラ)



ああ、私ったらなんてバカなこと言っちゃったのかしら

今でも顔が真っ赤なのがよく分かる。



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ありったけの衣装をベッドに投げ出して腕組みしてたって、頭の中が真っ白。

「夕焼けのせいね。。。」

そうつぶやく私の横にいつの間にかフランシーヌちゃんがしゃがんでいた。。

「おくたま、アブサンサンとでぃなーするですか?」

そう言ったフランシーヌちゃんは小悪魔のような笑みを浮かべて私を振り返った。

「え?いぁ、あの、、ちがうの。ぁ、ゥゥンそうなんだけど、そうぢゃなくって~」

フランシーヌはあの夜、ふいに目を覚ましました。。。

ソファの上に体を起こし、眠い目をこすりながらご主人様のベッドルームを見るとそこには。。。

「おく。。た。。ま?」

月明かり洩れる窓辺ではアブサンとソフィアのシルエットがとても幻想的で、アブサンの手を離れたウニの放つ放
物線がまるで流れ星のように煌いていました。

その夜、フランシーヌは初めてウニを美しいと思いました。。。

フランシーヌの横ではダイニングテーブルに突っ伏すレン様。

この時、ユルバンなら間違いなく見てないフリをして眠ったでしょうか。

でもフランシーヌにはそれができなかった。

レン様のいびきのリズムに逆らわずに絶え間なく飛び上がり消えて行く流れ星の群れ。

フランシーヌはそれに魅入られ続けていました。。。。

「流れ星、、、とってもキレイでちた」

「フランシーヌちゃん。。。?」

「おくたま!わたちも協力ちまつ!。。。。ん~ん~、やっぱ黒のジョーゼットドレスがシックでステキでしゅよ~」

「あら?そうかしら?でも今は春だしラフカラードレスだって」

。。。あら?外が何か騒がしいわね?

身支度を済ませてアパートをでると、マルセイユの街は騒然としていました。

「おい!書庫で学者が暴漢に襲われたらしいぞ!!」

「まじかよ!ぶっそうになったな。。公安はナニをやってるんだ!!」

学者先生が?

「ああ!ソフィアさん。申し訳ありません。どうやら学者が襲われて書物が盗まれたようです。ちょっと円周率の
新書が心配なので様子を見てきます。」

私を見つけたアブサンはそう言い残し書庫に駆けて行った。

せっかく選んだジョーゼットドレスに一言も触れないで行ってしまうアブサン。

それが不満ではあるけどアブサンらしいわ

私の寂しそうな顔もアブサンには伝わらない。

レン様だったら、、、

「ソフィア、そんな美しい姿に寂しい顔は似合わないな。もっとそのチャーミングな笑顔を私にみせておくれ」

そう言って顔を近づけるレン様

キャッキャq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャッキャ

アブサンに、そう、言わせてやるうううううう!!!!

そう思い、私は走った。

ドレスの裾がまくれようが関係なかった。

私の目には、書庫めがけて人ごみを走り抜けるアブサンしか目に写らなかった。

アブサンはステキなヒト、それはマルセイユの誰もが認めること。

だけどあのヒトには浮いた話はない。

それがいつも不思議だったわ

マルセイユの七不思議。

いつしかフランス中のヒトがそのことを囁きあった。

私にはレン様がいる。いつも大切にしてくれるレン様が。。。

そんな私でも、アブサンのその噂が気にならないわけではない。。

ましてやまぶしすぎるあの夜。。。

心の中にさざ波をたてるには十分な出来事だったわ

だけど到底アブサンに追いつけるわけはなく、私はいつかし走るのをあきらめて書庫にたどり着いた。

書庫では、救急隊の手によって、学者先生の頭に包帯が巻かれていた。

「うぅ~、アブサン。何か盗まれているでしょうか?」

「ん~。。。。。。。。どうやら、『実録錬金術』がないようですね~、第三者から見た錬金術の奥義をまとめた
非常に貴重な書物ではありますが、、、、この頃借りた人はいましたか?」

「ぁあ、、、この頃錬金術に興味を持つ人が多いらしくて結構貸し出してる書物ですね。。。アイタタタタタ」

「まぁ、私は円周率のその新書が失われてないのを知って安心しましたよ。HAHAHAHAHAHAHAHA」

「ああ、ソフィアさん。ご無礼して申し訳ありません。おや、ジョーゼットレスですね?ステキです。ただしエナグアだったら私はあなたに夢中になっていたでしょうw」

書庫の周りは騒然としていたけれど、その言葉だけが私の心の中に響いた。

マルセイユで販売されているものの中には、裸族服は取り扱われていない。

もちろん、マルセイユでそんな裸族服なんて着ていたら公安警察に捕まってしまう。

でもクヤシイ。

私は道具屋店主に淡い殺意を抱いた…

アブサンと並んで話していても話題は盗まれた書物の話で持ちきりだった。

「おそらく、金色のウニについて記述のある書物はアレだけだと思ってました。」

「ええ?」

「錬金術とは、そもそも物質の組成を生かして違う物質を作る禍々しい技術。そうでなければ金色のウニなんて存在するはずがありません」

「じゃぁ、、つまり、、、手がかりは途絶えたと。。。?」

「ええ、残念ながら」

がっかりした私達の前を通りすぎた一人の女性がいた。


ろとりん、カワイらしい女性だった。

いつもは自身の生き様を回りの人に見せ付けるように生き生きとした日々を送っている彼女が、、どうしたことか随分とおどおどとしている。

「ろとりん?」

そういう私に過剰に反応した彼女はとても怪しい

「ひ!ごっくんはしてません!!」

「ろと、、りん?」

「ろと、冷やしインド食べたらご飯おかわりしたくなったんだよ!!!」

「なんか怪しいですね。何か隠し事があるんですか?w」

「じ、実録、フランスの裏側って本、、買ったからドキドキしてるダケ」

「えええええ!書庫襲ったのろとりんなの?!?!?!?」

「ろとりんさん!重罪ですよ!!!」

「ちょwwwろと、実録錬金術奪ったなんて言ってないよっ!!」

「ちょっとろとりんさん、手を上げてジャンプしていただけますか?」

そうアブサンが言った途端、ろとりんの背中から、1冊の本が落ちてきた。

「ろとりん、黙っててあげるからちょっとその本見せなさい!!!」

「ァィ:;」

「お、1524ページにずばり書いてあるようですね。」

「1524.。。1524.。。。。」

1510、1520、1524ページを開いた時、私はショックを隠せなかった。。

「ぁ。。。」

「破られてる。。。。」

1522ページから、1598ページまでそっくり破られたその本に絶句したワタシ達は、そのまま目をろとりんに向けた。

「ろと知らないよ!それは本当に知らないよ!!!だって、まだ開いてないもの!!」

「どうしてこの本を。。。?」

「ろとね、冷やしインドいつでも食べたいんだ。だから、手軽に作れる冷やしインドの製法を探してるのだ」

「冷やしインドって。。。w」

「おや、ソフィアさん。ここになにか落書きがされてますよ?」

アブサンに言われて本に目を落とした私は、そのまま固まった。

我がタイツは偉大である!

ナイスタイツ!!


「これは、、、ドリコ卿ですね。」

「まさか。。。教祖様が、、、」

そのまま本をろとりんに戻したワタシ達は当初の予定通り酒場に入ろうとしていた。

が、酒場には黄色いテープで立ち入り禁止が表示され、その周りでは公安警察と野次馬でごったがえしていた。

「これは。。しばらく閉鎖だな。。。」

「ウニのパスタで食中毒だって?」

「ひどいな。。マルセイユでイレーヌの酌が唯一の楽しみだったのに。。。」

え?ウニで食中毒?

まさか。。。ネェ?

でも、私、どうしよう。。。

「おくたま、ここにいてくだたい!」

「フランシーヌちゃん?」

「ちょと用事を済ませてくるです^^」

そういったフランシーヌちゃんは黄色いテープの向こうに消えていった。

公安警察はまるで子供のフランシーヌちゃんに見向きもせず現場検証をおこなっていた。。。

「ますたぁ~」

「あぁ!!フランシーヌちゃん!!ど、どうしよう。。ウニが、、ウニがががが。。。」

そういうマスターにフランシーヌはニコリと笑いかけ、爽やかに言った。

「おくたまがフラガラッハを研がなくちゃって、そこでほくそえんでまちたっ」

「ちょ!!!ええええ!!!。。。えと、、そういえば、ウニの仕入先、、、どこだったっけ?この頃物忘れが激しくて。。。忘れちゃったよ。。。」

「そうでちたか~、じゃ、おくたまにそう言っておくでちゅ」

そう言ったフランシーヌの笑顔は忘れられない。

イレーヌは後に震えながら、そう証言した。

私の身を案じたアブサンは、ささやきながらも凛とした声で私に言った。

「ソフィアさん、逃げるのです。もし今どうにかなったら禁固100年は確実です!」

「ひゃ、100年?!」

「ええ、近頃、ギーズ公はバイオテロに対して過敏な反応をすると評判です。ですから、間違いなくそれくらいの禁固刑は言い渡されるでしょう」

「バイオテロって。。私はウニの納品しか。。カテだってまだもらってないのに。。」

「今のギーズ公にはそんなことは通じませんよ」

「わ、私どうしたら。。。」

「身支度をしなさい。私が港で適当な船を探してきます。」

「わ、わかりました!!」

「40秒で用意しな!!」

「は、はひ!:;」

私とフランシーヌちゃんはアパートに急ぎ、簡単な身支度をした。

ユルバンは、夕方飲ませた睡眠薬が効いているせいでまだぐっすり眠っていた。

「おくたま!こっちの準備できまちたっ」

「私もおkよ。さぁ行きましょう。」

そういって、私は最後に部屋の中を見渡した。

いつも寂しかった。

昼も夜もアパートの窓から港を眺めレン様の帰りばかり願っていた。

そんなこのアパートともしばらくお別れ。

しばらく。。。で済むのかしら?

鳥小屋の扉を開けて部屋を横切ろうとした際、YesNoマクラが目に入った。

いつも私の顔を見る前にマクラを見るレン様。

それがNoだった時の背中はとても小さく、Yesだった時は。。。分からないわ

だって、その時レン様が紅くなっているであろう私の顔を見ているのが、痛いほど分かったから。。。

そんな思い出の詰まったマクラを、

私は立てた。

YesともNoとも受け取れる形に置き、微笑みながらドアに向かう私はフランシーヌちゃんと目が会った。

フランシーヌちゃんのその目は、私の全てに対して肯定の意を持っていた。

港に着くと、アブサンが明かりをかざして合図をくれた。

「とりあえず、こんな船しかありませんでした。これでお行きなさい。」

「アブサン、ありがとう。迷惑かけてごめんなさい。」

「この借りを返してくれる日を楽しみにしてますよ」

そういってウィンクした。

アブサンが見つけた船はアラビアンガレーというガレー船だった。

「ちょっと、私こんな船どうにもできないわよ?」

「おくたま、とりあえず提督室でゆっくりおやすみするです。あとはフランに任せるです!」

私が提督室に入った途端、誰かの怒号が聞こえてきた。

「さぁ!!野郎共!!!おくたまのために漕ぐです!!!目指すはリスボン。タイツ教本部でつっ!」

「おいおい、子供に言われてるぜ、、おれた、、ぐぁあああああああああああああああ」

「漕がないですか???( ̄¬ ̄ )」

「イエスボス!!!」

一方その頃マルセイユ離宮では。。

「おお、公安警察特殊部隊隊長、紫音。やっときたか。」

「ギーズ様、おまたせ!( ゚Д゚)ノ」

「マルセイユでバイオテロが発生したようだ!由々しき事態だ!下手人を捕まえるのだっ!!」

「アイアイ( ´艸`)」

「笑わんでいい!!」

食中毒の原因はウニ。。

ウニといったら、あの夫婦以外考えられないわね~( ´艸`)

レンちゃんは今航海にでてるから、、、犯人は一人。。嫁のソフィアねっ!!




<あとがき>

今回はとても難しかったです。
たとえ、ワタシがお酒の力に頼ろうとも仕方のないことだったと、そう思います(/ω\)

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