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2012-09-30(Sun)

金色のウニを求めて ⑩




第10話 近づく黒い線  (著 シオン)






「どうだ?ソフィアの様子は」

「だいぶ落ち着いたようで、いまは眠ってます」

「そうか・・」

フリーベルはセビリアを見る。

波動砲を撃ったことにより、セビリアの街の港部分が大破したと思っているソフィア。

事実、遠目から見るとそう見える。

実際に火の手も上がっているし

大勢の声らしきものも聞こえる

が、実際は違う。



波動砲は

真空じゃないとこでエネルギーかけるとフィラメントが焼けてオシマイ

ということになっているので

セビリアには超至近距離で大きな花火が上がった程度なのだ。

その現状をフリーベルは船員からの報告と

自分自身で望遠鏡を覗いて確認していた。

「あの火事になっている場所は大丈夫でしょうか」

フランシーヌが聞く。

「ああ、あれは問題ない。」

フリーベルは半ば呆れた感じで続ける

「あれは花凛の戦列艦だ」

「!!花凛艦長の!!」

「そう。だから心配しなくてもいい。殺陣がうまくやるだろうからな」

「そうですか」

「しかし・・・まぁ・・・」

「花凛の慌てた顔が浮かぶな」

フリーベルは噛み殺しながら笑う


「きっと」































うっかりん







「こんな顔をしてるはずだwww」


------------------------------------------------------------------------------



一方、家宅捜索を受けていたアブサン邸では、捜索が終わろうとしていた。

「隊長。一通りの捜索は終わりかと思われます」

公安の職員が言う。

「そ、分かった。んじゃぁ、あなた達は先に戻っていなさい。私はアブサンと話すことがあるから」

紫音はそう言い、職員を帰した。

「さてと・・アブサン。誰かに泥棒にでも入られたの?」

「この乱暴さは紫音さんかと思ったんですが、違ったようですね。」

アブサンは殴られた頭部をさすりながら言う

「今の立場上、別に乱暴にしなくても色々とできるから、むやみに殴って進入したりしないわよ」

紫音は、その辺にあった椅子に乗りアブサンの傷を見た

「すこし切れてるけど、大したことはなさそうね。腫れは酷いけど」

「氷水でもあてておきましょう」

アブサンは冷蔵庫へ向かう

紫音は椅子から降り、その辺にあったベルベットで椅子を拭いて腰をかけた

「で、その泥棒になにか盗られた?」

「そうですね。ざっと見た感じ、盗まれたのはレントン精鋭艦隊の集合写真くらいでしょうか」

「そう・・」

アブサンは氷水が入った袋と一緒に2人分のウィスキーを持ってきた

紫音はそれを受け取り、一口飲んだ。

「アブサンはレンちゃんにソフィア逃亡依頼をされたでしょう」

紫音はアブサンをじっと見て言った

「・・・なんのことでしょう?」

アブサンは平然と言う。

「隠さなくてもいいわ。その辺りの情報はレンちゃん自身から聞いているから」

紫音はアブサンに手紙を差し出した

「レンちゃんからの手紙よ」

アブサンはそれを受け取り、読む。

「・・・どうやら本当のようですね」

手紙には紫音やフリーベル、うましか商会員には事情を話しているという事が書かれていた。

「フリーベルさんも知っていたのですね」

アブサンは少し驚きながら言う。

「アブサンとわっちは信用できるってレンちゃんの口癖だったからね」

「そうですか。」

「で、アブサン。どこまで今回の事件について調べた?」

「そうですね・・・あまりおおっぴろげに動けないので大したことは分かっていませんが、今回の事件はフランス国がメインの黒ではないと思いますね」

「ただ分かってきたこととしては、関連があるのはタイツ教。そしてプチプロ社交会だとおもいます」

紫音はウィスキーを飲み干し、アブサンをじっと見る

「さすがアブサンね。」

「私は公安の人間だけれど、SUWATにも属しているの。その両方の情報を組み合わせて考えると、キーワードはそこにたどり着くわ」

SUWATはレントン艦長が独自に組織したもので、うましか商会の裏の顔でもある。SUWATの諜報は群を抜いて優秀で、レントンの知らない情報は無いと言われるくらいの組織だった。

「実のところ。最近、ピラちゃんの消息が不明なの」

「ピラさんが?」

「そう。私が今回の事件でプチプロ社交会に辿り着き、プチプロ主要人のアパートを家宅捜索しようとしたときからピラちゃんの行方が分かっていないのよ」

「で、オロちゃんに代表をしてもらってピラ邸を家宅捜査したんだけど」

「そこでタイツ教の神器などをみたんですね?」

「そゆこと」

「私もピラさんのアパートに何度か招かれたことありますが、タイツ教の信仰心が厚い部屋だと記憶していますね」

「で、公安とSUWATの情報網においてピラちゃんとタイツ教との関係を洗ってみたら、ピラちゃんはタイツ教に年間1兆円規模の献金をしているのがわかったわ」

「すごいですね!」

「その他に、タイツ教信仰者リストを見たんだけれど、リストにはプチプロ社交会の主要な人間の8割がいたわ」

「・・・政治と宗教の癒着ですか」

「その可能性は否定しないわね」

「でも、このタイツ教とレントンさんとの関係はなんなんでしょう」

「その辺りはまだわかっていないのよね」

「SUWATでも探れていないと」

「そうみたい。ピラちゃんの献金を元に、タイツ教はここ数年で大きくなったわ。政治との関わりも大きくなると正誤の情報が錯乱してしまってね・・・」

「そうですか」

アブサンは空になっていた紫音のグラスにウィスキーを注ぐ。

「で、紫音さん。これからどうするつもりですか?」

「そうね。まずSUWATとしては、タイツ教とレンちゃんとの関係を探る」

「そして公安としては」

「ピラちゃんを今回の事件の重要参考人として指名手配するわ」

「それは決定事項ですか?」

「もう陛下には許可を貰ってるし、各国にも捜索要請を出しているわ。一般への発表は明後日の定例会議後になるだろうけどね」

「そうですか」

「少しずつ・・・線が見えてきましたね」













~~~あとがき~~~

今回は花凛ちゃんをいじることに重点をおきましたwwww

あの画像の使用許可はいただいておりませんが

どうぞゆるしてください!( ゚Д゚)ノ

この小説についてですが

ピラちゃんに一任しております

決まり次第、報告できるかと思われますので

まっててね!( ゚Д゚)ノ
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2012-09-30(Sun)

金色のウニを求めて ⑨





第九話:真実と闇  (著 ピラ)



ええ、そりゃびっくりしましたよ。いきなりなんだもんw

ん?違うってばw

たしかに最初に大騒ぎしたのはワタシw

でもこのことを言い出したのは殺陣さんですよ?

本当にw

ワタシにそんな先見の明があるはずないじゃないですか!

仮にも「うっかりん」と呼ばれる女ですよっ>w<
--------------------------------------------------------------------------------


そうですね、、、話は。。3日前にさかのぼるのかな?

海にね、でてたのよワタシ。

ん?あぁwwちがくてw

セビリアの港の端でちょっと。。。海女さんの真似事をね。

wwwあんまり笑わないでよwwこっちが恥ずかしくなるwww

いいじゃない理由なんてww

ハイハイ、そうそう。どうせワタシはうっかりんですよーw

まぁ何でかっていう部分も、

それも話していけばおいおい分かると思うよ?w

「ぉーぃ!」

ん?

「おーい!」

もうなによぉ!せっかく大きいウニ見つけたとこなのに。。。

そう思って水面に顔を出したらそこに殺陣さんが立ってたのw

「花凛ちゃん。。。何やってるの?」

「何って、、、昨日話してたじゃない?」

「昨日。。。?まさか青梅の会合の時のことじゃないよね?」

「それしかないでしょ?」

「えっと~。。。。花凛ちゃん?」

「ん?」

「イスパニアの国カラーが黄色だからってセビリアに金色のウニがいるなんて。。」

「普通冗談だって、、、、思うぉね」

「えええええええええええええええええええええええ」

もうね、がっかりですよw

世界の冒険家が束になっても見つけられない金ウニをワタシが一番最初にって思うぢゃない?

って、あなた少し笑いすぎwwwwww

はぁ。笑いすぎて喉カラカラw

何か頼んでもいい?

ワーイ

マスター!ブルゴーニュワイン!ピッチャーでっっ

。。え?あぁデキャンタねwそうとも言うよねww

そういえばさ、最初にあの「ピッチャーでっ」って言うの聞いた時どう思った?

。。。ゥンゥン。。。ゥンwwwwwwwうわぁwwwワタシと一緒www

ワタシも野球のピッチャーの格好したヒトが持ってくるとか、

ピッチャーがコップ投げ込んでくるのかってすっごいワクドキして待ってたwwww

ワタシ達って結構気が合いそうねw

ん?金ウニの?ゥンゥン。青梅の会合でそのこと言い出したのって殺陣さんなのよww

怒らないよーw

だって、そんなワタシも結構スキだし、殺陣さんもその後不安になって港探しちゃったりしてさw

殺陣さん、いじめるけど優しいのwいいヒトよ?www

ぁ、知ってる?w

そっかー、殺陣さんと知り合いなんだw

「ねぇ?花凛ちゃん」

「はぁあああああ~もぅがっかりw」

「ねぇ?花凛ちゃん?」

「何気に11月の海って寒いよね:;」

「ねぇ?花凛ちゃん?」

「殺陣さん、、いじめて突っ込んで、でも焚き火して温めてくれて。。。ありがと^^」

「ゴシップ記事って読む?」

「ナニナニナニナニナニナニナニナニナニナニ?」

「ぉ、やっと反応したぉwww」

「wwwwww」

「セビリア中央病院にレントンさんが入院してるらしいよ」

「えええええええええええええええええええええ」

「しかも看護士のイザベルと不倫してるっぽ」

「まじlfじゃがおあいjらば;!」

「んでもって、奥さんのソフィアさんが怒り狂ってセビリアに攻めてくるらしいぉ:;」

「ちょwww」

「今夜辺りフランス精鋭艦隊引き連れて乗り込んでくるらしいぉ~」

ね?殺陣さん情報でしょ?

ぁ、でもどこからそんな情報仕入れたんだろwwww

あの時は寒くてがっかりして驚いて。。。だからつまり、、、

イエスw忙しかったのw

まぁ。。。本当に忙しかったのはその後なんだけどw

「どどどどどどどどしよううううううううう」

「うっかりん!落ち着くんだ!」

「落ち、落ち、落ち」

「落ち着くの!!!!」

「ァィ:;」

「レントンさんが退院するのは今日、タブン今頃イザベルと涙の別れ、やってると思う。」

「それにソフィアさんがセビリアに来るのは、、昨夜マルセ出たって聞いたから。。明後日かな?しかも追われてるみたいだから大砲打ち込んでおしまいじゃないかな?」

「痴話ケンカはよそでやってほしいよね:;」

「ぅん:;」

「でも大砲なんか撃ち込まれたらセビリアは。。おかjrじゃpらうぱあ」

「落ち着きなさいww」

「金のウニだって。。。かpるあpじゃphふぁpらんp」

「それはいない(キリッ」

「ァィ:;」

はぁ~wあの時の事思い出すと今でもドキドキするw

だってさ、

海賊に襲われることはあっても、

まだ街全体が戦災に会うなんてなかったじゃない?

でもやっぱり殺陣さん頼りになるって思ったwww

ぁ、ワインなくなっちゃっ。。。いいの?悪いわねw

マスター!ワインなんでもピッチャーでっっ!

そうそう、あの作戦考えたのは殺陣さん。

ゥゥンw実行は2人じゃ無理だよw

青梅のみんなも手伝ってくれたよ?

会合があったせいでまだ皆近くにいたしねw

でも、、、本当にアレでいいのか。。分からなかったけど。。。

「ねね、殺陣さん。ホントにこれで準備おk?」

「うっかりんの受け持ち部分がばっちりならばっちりだぉ!」

「じゃ、ばっちりじゃないね」

「すたっちまで:;」

「ぉ、あの船、、、挙動不振だぉ!」

「提督!フランス船籍のアラガレでさぁ!甲板では酒宴会の真っ最中の模様!」

「レントン艦隊髄一の宴会好き、フリーベル提督の船だねっ」

「アラガレなの?あれならこんなことしなくたってよかったんじゃない?www」

「レントン艦隊は10年前に禁断の波動砲を使ってベルサイユ条約違反をした艦隊だぉ!油断ならないぉ!」

「波動砲@@」

「むしろ見てみたいなw」

「見たくないww」

「見たくないww」

「提督!船首が何か光り始めましたっ」

「総員、示し合わせの通りに行動してねっ」

ヒョヒョヒョヒョヒョヒョボボボパチン!!!!

あれは、一見の価値ありだったよね~w

一斉に打ちあがる花火の数といったらもうwww

ん?波動砲の被害?

ないよwwwないってゆうか。。。。

これはワタシの想像だけど、波動砲ってさ、宇宙で撃つものなんでしょ?

なんかね、真空じゃないとこでエネルギーかけるとフィラメントが焼けておしまいなんだってww

殺陣さんが10年前にも同じ現象を使ってレントン艦隊が威嚇してたの見てたんだってwwww

そうそうwwwwつまり威嚇のための大砲みたいwww

無駄にすごいよねwwwww

ん?なんで花火打ち上げたかって?

なんかソフィアさんは波動砲って見たことないらしいのよ

だから、むしろ被害がすごそうなとこ見せる必要あったんだってw

でも。。そんな必要なさそうだけど。。。

そうそう、これも殺陣さんの案。

ムツカシイことは私分からないけど殺陣さんのすることならきっと間違いないでしょ?w

「ぉ~すっごい花火の量だね~^^」

「これでソフィアさんも少しは反省するぉ!」

「私ももちょい打ち上げてくるよーw」

「ぁあ、花凛ちゃんもうそれkちょwwwwwwwwwwwwwww」

「花凛ちゃんそれだと弾薬庫の方にwwww」

「ん?何?」

シュボーン

ボッカーン

「総員退避だよっ!!!」

「やっぱりうっかりんだwww」

「いやああああああああああ砲弾が私の戦列艦にいいいいいいいい」

「うっかりん自業自得wwww」

そこ!笑うとこじゃないよ!!

今度という今度は私怒ってるんだからっ!!!

。。。え?

ぁ、そうだね、、、ぅ~ん、ぅ~ん。。。

ソフィアさんによっ!!!

殺陣さんはああいう時にウソついたりしないから、花火あげなくちゃいけなかったのはシカタナイし、
レントンさんはセビリア病院に入院しなくちゃいけなかったものシカタナイし。。不倫はアレだけどw
ソフィアさんが変なことしなきゃよかったのよっ!!!

ぅんぅん!

私これからリスボンに行くとこっ!

ソフィアさんに決闘仕掛けて、戦列艦の修理代請求するのっ!

え?私?なんで私悪いの?

だって、

私の、

うっかりもシカタナイもの!(/ω\)

と、いうことで私もう行くね。ワインご馳走様wwww

ちっさいクマさんも花火には気をつけてねwwww

じゃーねー^^ノシ

ふぅ

クマの着ぐるみ暑いっ

でも花凛ちゃんにバレナイから素敵ww

さすが殺陣さん、予定通り動いてくれたみたいねw

これであのビッチソフィアもへこむでそ( ´艸`)フヒヒ

あとはビッチの前に花凛ちゃんを教祖様に引き合わせれば。。。エヘヘヘヘ

でも、、、花凛ちゃんがこんなにワイン飲むなんて想定GUY

「なんだ、クマの方はピラさんだったのかい。〆る?全部で21万9000Dだよっ」

支払い。。。どうしよ。。:;








~~~あとがき~~~


なんか紫音ちゃがものっそい勢いで書き上げますw
フフフ
負けないっっ( ´艸`)


2012-09-30(Sun)

金色のウニを求めて ⑧




第8話 リスボンとタイツ教  (著 シオン)






「ソフィアさん。怪我はありませんか?」

男は優しく右手を差し出し、そう声をかける。

「あ・・・・ええ、大丈夫。ありがとう」

ソフィアはそう言いながら、男の右手を借りて立ち上がる。

酔った勢いと、いつもの好奇心でボタンを押してはみたものの、あんなのが出てくるとは大航海時代の設定でも考えられなかったので、軽く頭がパニックしているが、身体の震えも徐々に収まり、冷静さも戻ってきた。


「あなたが今まで操舵室に?」

鉄のヘルムに鉄のボディ。足はなぜか羊の毛で作られたブーツという中途半端な格好をし、そして左手には壊れた舵を持った男にソフィアは聞いた。

「ええ、あっしがフリーベル艦長に言われて番をしてました」

男が言う。

「そうだ!お前!コラ!松!!なんでこんなことになったんだ!!」

ガンッ!!っと鉄のヘルムの上からフリーベルが殴る。

「イタイ!いや~・・・皆が楽しそうだったので、船員に酒を持ってきてもらって飲んでたら・・・その・・・寝ちゃって・・・w」

鉄のヘルムで顔の表情は見えないが、きっとテヘッっとした顔をしてるに違いない。

「寝ちゃって・・・wじゃないわーーーーー!!セビリアの港が消滅したじゃないか!!!」

フリーベルはもう1度、鉄の上から殴った。

「イタイ!!申し訳ねぇ・・・」

今度は少しは申し訳なさそうな顔をしてると思われるが、鉄の下の表情なのでわからない。

「松さん?と言うのね」

ソフィアが聞く。

「ヘイ!あっしは天切り松と申しまさぁ!」

鉄のヘルムに鉄のボディ、なのに何故か羊の毛でできたブーツを履いた男が威勢良く言う。

「ああ、こいつはピラんとこの商会に一時期いた男なんだが、今はリスボンで商会を立ち上げてな。一端に商会長なんぞをやってるんだ」

フリーベルが船員に宴の片付けと、波動砲の影響による船体へのダメージ、せりビアから軍艦が向かってきてないかの見張りの徹底を指示しながら言った。

「あら、ピラちゃんところの子だったのね!知らなくてごめんなさいね」

ピラ率いるPetit☆Promenade商会はフランスを代表する大きな商会の1つで、商会が主催する催し物は一般人が参加できるものや、国の高官向けのものまでと多岐に渡り行われており、その中でも年に1度、ピラが総企画する商会最大イベント プチプロフェスティバルは夏に4日間の期間で行われるフランス最大のお祭りであり、フランス国民ならず、ヴェネチアやセビリア、オスマンやロンドンなどからも大勢の観光客がフランスに訪れる。

そんなPetit☆Promenade商会はレントンとも交流があり、幾度か妻ソフィアと共に、プチプロが主催する催し物に賓客として招待していた。
そこでソフィアとピラは意気投合し、プチプロの商館へと招かれたり、ちょっとした航海にコッソリ連れて行ってもらったりするくらい親しい仲になっていた。

「天切り松さんは、いつもそのような格好をしているの?」

「あっしはいつもこの格好ですね」

「そうなの」

プチプロの商会に往来したことがあるソフィア。商会員全員と面識があると思っていた。

「こんな人もいたのねぇ・・・」

見た目が中途半端だから、1度見たら忘れない自信がソフィアにはあった。が、どんなに頭の引き出しをゴソゴソしてみても該当する顔が見当たらない。

「私が、ピラちゃんと親しくなる前に商会を抜けた人なのね」

そうソフィアは納得した。

「おい、松!その左手の舵はどうしたんだ?」

フリーベルが聞く。

「あ~・・・舵の前で飲んでて~・・・酔っ払って~・・・カクンと舵に向かって寝そべろうとしたら~・・・ヘルムが舵に当たっちゃって・・・ヘヘ・・w」

「へへ・・w じゃねーーーーーーーー!!!」

ガスガスボコボコ

「イ・・イタイ!! イタイっす艦長!!」

「お前の中途半端な装備よりは痛く無いわ!!!」

「ちょ!・・ごめんなさい!!艦長イタイ!!」

仮面のデブが鉄仮面を殴る風景に、なんともいえないナニカが身体の中を駆けめぐる。

が、そんなことよりも

「ちょっと、フリーベルさん! そんなことよりも、舵が壊れちゃったからこれからどうするの?」

ソフィアが殴るのを静止する意味も込めて、ちょっと大声でフリーベルに聞く。

「おお・・・フム・・・」

いつの間にやら天切り松から舵を取り上げ、その舵で天切り松の頭をガンガン殴っていたフリーベルが手を止めて考える。

「イ・・・タ・・・イ・・・」

球面だったヘルムが多球面体に進化させられた天切り松は、そう言いながら床にベシャっと倒れた。

「船員の報告だと、波動砲の船への影響は船首部分の損傷くらいのようだから、走行的には問題なさそうだ。まぁ、舵が壊れててもリスボンはもう少しで着くし、ここは内海で波も高くない。櫂でも使えばどうにかなるだろう」

「そう、どうにかなりそうなのね」

「うーむ・・たぶんな。セビリアから追っ手が来なければ問題ないな」

「追っ手は来る?」

「来る・・というか、来れないだろうな。見事に波動砲で港を消してしまったからな。船員が港付近を望遠鏡で見た状況だと、とてもじゃないが我々を追うなどということをしている状況ではないらしい」

「ごめんなさい・・・私がボタンを押したばっかりに・・・」

フリーベルは望遠鏡で見た詳細を船員から聞いていたが、ソフィアには言わなかった。が、セビリアの方を見ると言わなくても状況は目に見えた。

セビリアの街に近い位置を航海してはいなかったが、波動砲で火の海と化しているセビリアは見えた。

そして、阿鼻叫喚も微かにだが聞こえた。

ソフィアはその光景を見据えた。

目の前に広がる炎の海。微かに聞こえる声

「私がボタンを押したから?・・・ボタンを押したから・・・押したからこんな・・・」

100を越えるだろう商業船、セビリアの軍船、港付近に住む人々・・・

そこにあったであろうものが全て炎と化している。

「私が殺した・・・私がボタンで・・・私が・・・ワタシガ・・・」

ソフィアはセビリアを見つめながら涙をこぼす

「私が殺した・・・殺した・・・たくさん・・・ころした・・・ころした・・・ころした・・・」

レン様もこんな気持ちだったのだろうか。

船に乗って大砲を撃つ。船が沈む。人が死ぬ。

国のためとはいえ、その人の人生を摘む。

でも、レン様は・・・あれは戦争・・・

でも、これは・・・これは・・・私の・・・わたしの・・・・・


いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!



ソフィアは両手で自分の頭を掴み、発した。

「お、おい!ソフィア!!」

「お、おくたま!!落ち着いてください!!」

「落ち着けですって!?あの状況を目にして落ち着けですって!!??」

「お・・・おくたま・・」

「あそこにはどれだけの人が住んでいると言うの?どれだけの人があれで死んだと思ってるの? 赤ちゃんや、子供や、女の人や・・男の人・・・恋人・・嫁・・・旦那・・・・・みんな死んだのよ??・・・わたしが・・・殺したのよ?・・・」

ソフィアは瞳孔が開き、息も荒く、いつものあの綺麗さは欠片もなかった。

「フリーベルさん!わたしをセビリアに連れてって!あそこに行って・・・あそこに行って私は・・・私は!!!!!」

ソフィアはフリーベルの両肩に手を掛けて言う。華奢な身体のどこにそんな力があるのかというぐらいの力で肩を掴まれたフリーベルが少し顔をゆがませる。

「ソフィア!!これは事故だ!!仕方がなかったんだ!!お前は悪くない!!悪くないんだ!!」

「いいえ・・・私が悪いのよ・・私があのボタンを押さなければ・・押さなかったら・・・こういうことにはならなかったじゃない!!!!!!!!」

ソフィアは涙や鼻水でぐちゃぐちゃの顔をしてフリーベルに言う。

「ソフィアが押してなくても、わっちが押したかも知れん。なにより、この船の艦長はわっちだ!ソフィアが悪いわけじゃない。わっちが悪いんだ!!だから、大丈夫。ソフィアは悪くない。悪くないんだ・・・大丈夫。わっちに任せろ。」

「でも・・・でもでもでもでも・・・私が・・・わ・たしが・・・」

そう言いながらソフィアはフリーベルの足元に崩れた。

「ソフィア・・・」

「おくたま・・・」

フリーベルもフランシーヌもかける言葉が見つからなかった。

そんななか

「大丈夫ですよ。ソフィアさん」

さっきまでボコボコに殴られ、ダウンしていた天切り松が言う。

「リスボンにはタイツ教という宗教があります。そこのドリコ教祖に懺悔するのです。タイツ教はとても素晴らしい宗教です。きっとソフィアさんのこともタイツ神はお許しになるはずです」

「タ・・イツ・・きょう?」

小刻みに手を震わせ、瞳孔が開き焦点も定まっていないソフィアが聞き返す。

「ええ、私もタイツ教にお世話になっております。ドリコ教祖はとても素晴らしい御方です。リスボンに着いたらタイツ教総本部に行きましょう。そして懺悔しましょう」

「タイ・・ツ・・・教・・・ざん・・げ・・・ゆるし・・て・・・」

「ええ、お許しくださるはずです」

「ざん・・げ・・・」

そう言うとソフィアは気を失った。

「お、おい!ソフィア!!」

「フランシーヌ!寝室に運ぶぞ!」

「は、はいでし!」

フリーベルはソフィアを抱き上げてフランシーヌと共に寝室へと向かう。



1人だけとなった操舵室。

天切り松はヒョイとミーナを捕まえ、自分の顔の前まで持ち上げる。

「さて、とりあえずは成功と言うところか。まぁ、波動砲でセビリア吹っ飛ばすのは予定外だったが・・・まぁ、結果オーライということにしとくか」

「ミャーン」

「ククク・・・さて、私の役目は大方済んだ。あとはドリコがうまくやってくれれば第1段階は成功だな。ククク・・・」


セビリアの燃料庫にでも飛び火して引火したのだろう。大きな爆発があった。

その火の光を浴びて、鉄のヘルムの隙間から鋭い眼光で笑う天切り松の顔が、ミーナの瞳に一瞬だけ映った。














~~~あとがき~~~



はい!書いたよ( ´艸`)

まずですな~

何故か後半シリアスになってしまった

ピラちゃんの読んで~

続編には松ちゃんを出そう!

ってことだけ決めて今回は書いたんですよウン!

で、書き進めると~~

なぜかこういうのが出来上がった!!

そんな1作です。



これは、フィクションです!( ゚Д゚)ノ

登場する人物、及び場所は実在しますが

これは、フィクションです!( ゚Д゚)ノ

2012-09-30(Sun)

金色のウニを求めて ⑦




第七話:そこにある危機   (著 ピラ)





そこは水を打ったような静けさであふれていました。

甲板ではまだ宴のバカ騒ぎが続いていますが、まるでTVの中の出来事のようなまるで向かいのアパートの痴話喧嘩
を聞くような、そんな別の世界。

緊急アラーム緊急を知らせる鐘の音がけたたましくなってますがそこの人々の耳には何も入っていませんでした。

ただひとつ。いいえ一匹。

人々はおびえと恐怖とあきらめの混じった目線を一点に注いでいました。

その先にあったのは。。。。。

--------------------------------------------------------------------------------


宴はとっくに佳境を迎えたはずでした。

ですがまだまだ飲み足りない船員達が甲板の上で踊り狂う。

ワイン樽に飛び込む。

決闘をやっては海に仲間を投げ込む。

そんな光景が世界の理を無視するが如く続いていました。

「ん?」

ほんの小さな異変。

こんな素敵な時間に華を添える、ほんの小さな小さな異変。

その異変に気付いた者がいました。

それは航海に慣れた航海士ではなく、

それは百戦錬磨の甲板員でもなく、

星を見てたちどころに方位が分かる測量士でもありませんでした。

「あはははw見てよフランシーヌちゃん( ´艸`)」

「おくたま、どしたでしゅか~?ウィ~♪」

「崖が目の前に迫ってるううううううぅぅぅぅぅ♪」

「ぁ、ホントでしね~。あははは。。。。」

「ちょ!!!!」

「ちょ!!!!」


「おい!フランシーヌ!自動航行装置はどうなってるんだ!!!」

「て、提督!ワタシにワインの用意させてる間に設定しておくって言ったじゃないですか!!!」

「ありゃ。。。。わっちの商船。。。実はまだ金が足らんので自動航行なんて入れられないんだ♪だからいじったこともない!(キリッ」

「えええええええええ!!!!!じゃ、じゃぁ誰が?」

「ええい!フランシーヌ!とにかく中央指令室へ!!」

「あい!!」

「あははははwwwフリーベルさんって走ると案外早い~♪」

「こ、これは。。。。」

中央司令室の中には誰もいませんでした。

ただ誰もがかつてない危機に直面していることを確信しました。

それはけたたましく鳴り響くエラー表示鐘の音が原因だったのか、無人だった司令室が持つ陰惨で不気味な光景も原因だったのかも知れません。

もしくは目の前に広がるジブラルタルの荘厳な崖の壁?

それとも中央司令室になくてはならない舵が折られて紛失していたこと?

いいえ。大きな原因はたったひとつ。

艦橋の中央に威風堂々と居並ぶ制御機器。

その上部にエラー表示が激しく点滅する中、目の前にあるキーボードの上では、、、、

「ニャン♪ニャン♪ニャニャーン!」

激しく明滅する多数のボタンの光を追う真っ黒い指、いえ足?

しなやかな肢体を優雅に舞わせながら華麗にボタンの上で踏むステップ。

「きゃあああああああああああああ!!!!ミーナ!なにやってるの?!」

「む、あのネコは。。。フランシーヌのか?!」

「いつもはワインの匂い嗅ぐと寄ってくるのに来ないからおかしいと思ってたら。。。」

「でも、、わっちにはなんだかとても楽しそうに見えるが。。。ひょっとして飲んでるんじゃないか?」

「あら?ミーナちゃん?ワタシ飲ませてあげたわよぉ?」

「おくたま?!」

「ソ、ソフィア!いつのまにそこに!」

「遅い!遅いわよ!フリーベルさん!やけに戻ってくるの遅いと思ったらこんなところで油売ってたのね!?」

「いや、今かつてない危機に。。って宴会どころぢゃないだろwwwおいフランシーヌ!あのネコなんとかしろ!!」

「ああなったミーナはワタシの手には負えないです。。。もぅ」

「ん?ミーナちゃんをこっちに呼べばいいの?」

「おくたまできるでしゅか?」

「どれだけミーナちゃんが小鳥襲うの防いだと思ってるのよ。もう慣れっこ♪だれかワインジョッキ持ってる?」

「へ、へい。。ここに」

「ありがと^^」

「ミーナ!アテンション!」

それまでの夢中なステップがはたと止まり、暗闇の中で大きな大きなふたつの瞳が声の主を注意深く探り始めました。

そこでその瞳に写ったものは。。。

暗がりの中、エラーランプの明かりの波に浮かぶワインジョッキ。

そのワインジョッキがゆっくりと弧を描きだすと暗闇で妖しく光る目はそれをゆっくり追い出しました。

そしてゆっくりとソフィアがタップを踏み始めると2つの光の輝きがことさら大きくなりました。

タップのテンポが徐々に速まるのと同様にワインジョッキの弧の動きが早くなり、、、

「タン、タン、タン、タン、タン」

「タンタンタンタンタンタンタン」

「タンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタン」

「タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ」

目に見えないくらいになった時、

「タタタタタタタタタタタタタタッタッタッタン!」

フギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!

二つの光が激しく宙に躍動すると同時に司令室内の光が消え、辺りは闇に包まれました。

カポーン

「きゃあああああああ!!!!ミーナちゃんすごい!またストライク~♪やっぱりワインジョッキネコでユーチューブに投稿できそうねwww」

「お、おくたま、、、ミーナに何仕込んでるでしゅか。。。。」

「フ、フリーベル提督。。。。崖が。。。崖がggggg」

「ええい落ち着け操舵長!とにかく舵を切れ!」

「舵ってたって。。。舵が。。舵が折れちまってるんですよおおおおおおおおお」

「何か、何か手はないのかあああああああああ」

「提督、、、あれは。。。」

ミーナが躍動した弾みなのか、何かのボタンが押されたためか、ボタンやエラーランプは消灯していました。

ただひとつのボタンだけ、赤く点灯したままになっていました。

そのボタンの表示は。。。

「フ、フランシーヌ。。。これタガログ語に見えるけど、、気のせいか?」

「提督にもそう見えるでしか?ワタシ、、ダメなんですよね、タガログ語。。」

「うむ、、、わっちもだ。。。」

ポチッ

「あら?何この赤いの?」

「ソフィア押してから聞くなああああああああああああああああ」

キューンキューンキューン

「こ、これは。。。総員!対衝撃にそなえ…!!!!」

ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョボボボボボボボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

周りの景色が一転して真っ白に変わると。。。。

ソフィアは昔を思い出しました。

世界が白一色に染まる冬。

ソフィアはその世界が訪れるたびにため息をついていました。

ソフィアの一時住んでいたストックホルムでは、

冬の訪れは家に閉じ込められることを意味していました。

薄暗い太陽が1日中、朝日も夕日も夜空もなくただぼやけた日差しを与え続けていました。

そんな太陽の日が差せばまだいい方で、大半は雪が家ごとソフィアを埋め尽くすように毎日毎日降り続いていました。

真っ白なはずの世界。

ソフィアがその世界を頭に思い浮かべると、その世界はいつも灰色でした。

ただ、この光は眩し過ぎました。

世界を照らす太陽の日差しにしては眩しく、そして熱過ぎました。

ようやく光が静まってきましたが振動が激しく、声を張り上げないと会話もできない中、ソフィアはただ恐ろしくてミーナを胸に抱きしめ床で震えていました。

「提督~!!!!これ、まさか波動砲じゃない?!」

「わっちも分からんがおそらくな!!!!だけど波動砲って変な音で発射するんだな!!!」

「なんか書いてる人が本物の波動砲って見たことないみたいですwww」

「フランシーヌ?誰が何を書いてるって?」

「え?提督?私なにか言いました?」

「む、空耳か?。。。それより崖は?!針路は?!」

二人が起き上がり辺りを見渡すと、

目の前には静かな海が広がっています。

ジブラルタルの崖は右に逸れ、西に針路が取れています。

まるで何事もなかったかのように船はまっすぐ進んでいます。

そのうちに制御機器に電気動力何かが戻ってきたらしく室内は明るくなりました。

「フ、フランシーヌ。。今船はどうなってるんだ?」

「予定航路をリスボンに向かってるみたいでし。。。でも波動砲は。。。?」

「ふぅ。どうやら波動砲の反動で船が回頭したようだな。」

「危なかった。。ですね。。」

「提督、皆さん。。お疲れさんでやした。後は俺が面倒見ますので向こうでお休みになってください」

「おぉ、航海長。悪いがそうさせてもらうことにするぞ。それにしても一人ここに残して宴会始めたはずだが。。。」

その時でした。

「ひゃっほー!!!!提督すげえええええええええええええ

「な、なんだわっちは何もしてないぞwwwwっておまえらまだ飲んでたのかww」

「提督がまさかセビリアの街に波動砲撃ちこむなんて思っても見ませんでしたぜ!!」

「さすが提督だぜ!かっこいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「。。。。。。。。。。え?」

右舷から見えるセビリアの町並み。

いつもと同じに見えるはずのその光景は。。。

港に停泊している帆船が焼け落ち造船所が跡形もなくなっていました。

「。。。。。。。。。。えっと?」

「提督。。これは。。。」

「えと、航海長君。もそっと。。速くならない?」

「ムリッス」

床でいつまでも震えるソフィアの顔を優しく嘗め回すミーナ。

ですがそれはレン様が優しく包み込んでくれたあの温もりには到底及びません。

その時、ソフィアの前の制御盤の影からゆっくりと男が起き上がりソフィアに優しく手を差し伸べました。

左手は後手に折れた舵をぶら下げながら。。。












~~~あとがき~~~



前の番のヒトがアイデアを温め続けていたってことは。。。
その次の番のヒトも温め続けてたってことですねっ!
お酒なくて書けたヽ(´ー`)ノ
2012-09-30(Sun)

金色のウニを求めて ⑥

~第6話 あの日の約束~  (著 シオン)







カリブの開拓地で

学者と共に地理や考古について調査していたアブサンの元に

「カリアリで飲むぞ!」

とだけ書かれた手紙が届いたのは、春の陽気でいっぱいの季節だった。

それから5ヶ月

なんとか調査に区切りをつけ、マルセイユに帰ってくることができた。

半年ぶりくらいになるだろう帰郷

それでもマルセイユはいつもと変わらない。いつものマルセイユだった。

広場で芸人が人々を楽しませ、子供達が無邪気に走り回り、ご婦人達は井戸端会議に花を咲かせ、ワインの香りがほのかに街中に漂っている。

港の活気も、船大工達の大声も、市場の人だかりも見慣れた風景、いつものマルセイユだった。


手紙の主とは

「そんな急には帰れませんよwあと数ヶ月は戻れそうにありません」

「んじゃ~どのくらいで帰ってこれる?」

「そうですねぇ・・・4,5ヶ月ってことろでしょうか」

「よし、じゃあ5ヵ月後の予定にしよう」

「それなら間に合うと思います」

「伝言屋に言付けておくから、帰ってきたら寄ってくれ」

「わかりました」

こんな短文なやり取りを伝書鳩を酷使しつつしていたので


開拓地での調査報告や、その他もろもろを国王に報告し

顔馴染みの店に顔を出し、行く道々で出会うご婦人に爽やかな笑顔を振りまきながら、早々に伝言屋に向かった。


「おやっさん久しぶりです」

マルセイユの航海学校に程近い、小さめのタバコ屋。

煙草を売りながら、情報や伝言も扱う。知る人は知っている、マルセイユでも指折りの情報屋。

「おお!アブサン!!開拓地でちょっとした鉱脈を発見したんだって?」

「!!なんでその情報を・・・って、まぁ、さすがですね」

「ふぉっふぉっふぉ」

「私宛の伝言があると思うのですが」

「ああ、そうだそうだ。3ヶ月も前に受けたんでスッカリ忘れとったw」

そういうと、おやっさんは引き出しから1枚の紙を取り出し

「これだな」

そう言ってアブサンに渡した。

「ありがとうございます」

その場で中身を一読し

「おやっさん、灰皿いいですか?」

「はいよ」

出された灰皿の中に紙を入れ、燃やす。

「おやっさん、ありがとう。また顔を見せに来ますよ」

「おお、待っとるよ。あと新鮮なネタもな!ふぉっふぉっふぉ」


アブサンは軽く微笑みながら、フランスの最高額紙幣を数枚置いて、その場を後にした。





久しぶりの自室に戻り、自分の諸事情をちょいちょいと済ませ

夜の9時を回った頃、マルセの酒場に顔を出しに行った。


「久しぶりです。マスター」

そういいつつ、アブサンはカウンター席に腰掛けた。

「おお!お帰り、アブサン。今日帰ってきたのかい?」

マスターはアブサンにウォッカとチーズを出してくれた。

「ええ、今日帰ってきたんです。久しぶりのマルセイユですが、少しも変わってませんね」

「ああ、まぁ、表向きはな」

マスターは少しにごった表情をしながら言った。

アブサンはなにも言わずにウォッカを口に含む。

「アブサンが帰ってきたって事は、あれをすればいいのかな?」

マスターが言う。

「ええ、おねがいします」

ウォッカのお代わりをお願いしつつ言う

「わかった。おーい、イレーヌ!ちょっとお使いを頼まれてくれるかな」

「なにかしら?マスター」

「これをな・・・・・・」

「わかったわ。いってきますね」

「気をつけて行っておいで」

「だいじょうぶ!まかせて」

イレーヌはアブサンにウィンクして店を出て行った。アブサンも軽く微笑み、軽く手を振りながら見送る。

「今日はゆっくりできるんだろう?開拓地での話でも聞かせておくれよ」

マスターがウォッカのお代わりと、きのこのキッシュを差し出しながら言う。

「この料理は?」

「先月からの新作だ。よかったら味見してくれよ。私の奢りだ」

「いただきます。おっ!おいしい!!」

「アブサンに美味しいって言われたら怖いもの無しだな!」

2人は笑った。



イレーヌにお使いを頼んでから2日後

アブサンはカリアリに来ていた。

時刻は夕方の6時を回ったばかり。

予定の時間より1時間ほど早く着いた。

とりあえず酒場でという事だったから、酒場で軽くやりながら待つことにした。

カリアリはマルセイユからさほど遠くないが、チュニスがあるためか、あまり仏人をみかけない。

機密な話をするには絶好の街だった。


カランカラン

酒場の扉を開けると、客は無くマスターだけだった。

「いらっしゃい」

マスターがグラスを磨きながら言う。

「あとで友人がくるのですが、暖炉横のテーブル良いですか?」

「どうぞどうぞ」

アブサンは席に向かいつつ

「ウォッカをください」

と、マスターに注文した。

するとマスターが

「お客さん、ウォッカも良いけれどビールなんてどうです?今日、良い豚肉が入ったのでソーセージを作ったんですよ。ちょっとスパイシーなのや香草入れたのやスモークかけたのやらと作ったんですよ。出来立てのソーセージはパリっと良い音が鳴りますよ。肉汁もいい感じに出ますし、そこにビールをぐいっと咽に・・・どうです?」


ゴクリ・・・

めずらしくアブサンが咽を鳴らす。

「じゃぁ、そのソーセージとビールで」

「かしこまりました」


出されたソーセージはマスターがオススメしてくるほどあって凄く美味しかった。

辛さを主張しすぎないのにキチンと辛味が舌に残り、これがビールを誘う

香草もふわっとさりげない香りを口いっぱいに広げ、そこにビールを注ぐと香りが一気に引き締まり、やめられない

スモークしたのも香ばしい香りがなんとも言えず、待ち合わせの時間が来た頃にはビールを1樽も空け、ソーセージも3皿目に突入していた。


「おいおいおいおい~~~~ww なに1人で盛り上がってんだよ~~~~www」


そう後ろから声をかけられながら、首にガッシリとした腕が回り、顔には相手の髭がくすぐったくて痛いような感じに触れた。


「ああ!すいません!!このソーセージが余りにも美味しくてwww」

「まったくwww 俺が来る前に酔いつぶれないでくれよ?www」

「HAHAHAHAHA!!このくらいで酔いつぶれたりしませんよレントンさん!」

「そうか?wならいいけどな!ww」

「おーい!マスター私にもビールと、このソーセージよろしく~」

レントンはアブサンと向かい合った席にドカっと座った。

「相変わらず元気そうですね。レントンさん」

「おお!私は元気が取り得だからな。アブサンも元気そうでなによりだw」

「体が資本ですからね、この稼業はw」

「違いないなw」

レントンのビールとソーセージが運ばれてくる。

「よし、では再開を祝してカンパーイ!!」



久しぶりの再会ともあって

2人は今回の目的よりなによりも、雑談に花が咲いた。

そして

ビールの樽を9つ空にし、ソーセージの皿も20皿平らげ

10個目のビール樽を開け、21皿目のソーセージがテーブルに来た時


「さて、そろそろ本題に入るかぁ~」

髭も赤くなるんじゃないか?と言うくらい顔を赤くしてるレントンが言った。


「そうですね~」

アブサンも褐色な肌色なわりに、赤さが目に見えるほどだった。



「アブサン、ソフィアを任せてもいいかな」

真っ赤な顔をしたレントンが、目の奥の眼光を研ぎ澄ましながら言った。

「なぜです?」

「私はマルセイユをしばらく離れることにする」

アブサンは国の命の下、開拓地にいることが多いため、あまり首都で何が起きてるのか知らない。

「マスターも少しぼやいてましたが・・・なにかあったのですか?」

「なにかあった・・・というか、これからなにかが起こるかもしれない・・・といった方がただしいかもしれないな」

「レントンさんの身になにかが?・・ですか?」

レントンは椅子の背に体重をかける

「さぁ・・・いまのところそこまではわからん。私かもしれないし、アブサンやフリーベル君かもしれん」

「レントン艦隊として・・・と言うことですか」

「そういうことになるかもしれん」

レントンがビールをゴキュゴキュ飲む。

「とりあえず、色々なところで情報を集めてみているが、今のところ標的になっているのは私だけのようだ」

「誰にです?」

「そこがまだハッキリしない。目的もまだわからん。ただ、私もしくはレントン艦隊が的となっている・・・ということだけは確かのようだ」

「それで、レントンさんはマルセイユを離れてどうするおつもりで?」

「外から情報を集める。どうも、今回のはフランス国内だけのモノでは無いような情報も多々あってな」

「それでソフィアさんを私に護って欲しいと」

「そういうことだ」

レントンはジョッキに残っていたビールを飲み干した。

「国内で怪しい人の見当はついてないのですか?」

「わからん。ただ、国の役職が係ってる様な情報もある」

「陛下が?」

「わからん。大臣クラスの人間かもしれん。ただ、国家人となると私が不在の間にソフィアに危害を加えることは合法的にできるからな。」

「そうですね・・」

「アブサン、頼めるかな」

「良いでしょう。レントンさんの頼みですし、少なからずレントン艦隊である私にも関係あることのようですしね」

「わるいな。助かる。よろしく頼む」

「いいですよ。そのくらい私に任せてくださいw」

アブサンはビールを口に運ぶ


「よし、これでソフィアにウニを投げたことは見なかったことにしといてやるよwwwwwwww」



ヴゥハァァァアアアアアアア!!!!!



アブサンは口に含んでいたビールを盛大に噴いた。それで暖炉の火が一瞬大きくなったのはキノセイ

ゲッホゲホゲホゲッホゲ・・・・

「レ・・レントンさん・・・見てたんですか!!!!」

「あ~~~ったりまえよぉwwww」

ニカッっとレントンは笑いながらビールをゴギュゴキュ飲む。


「レントンさ~~~~~~~~~ん」


「ハッハッハ!!まぁ、あの件でソフィアもアブサンに親しみを持ったはずだ。だからこそ今回の事を頼んだんだw」

「う~~~そ~~~だ~~~~~~」

「ほんとほんとwww」

「はぁ・・・・・」


「まぁ、よろしく頼むよ!ww」

そう言ってレントンはアブサンの肩をバシバシ叩いた。


バシバシ・・


バシドン・・


ドンドンドン



ドンドンドンドン!!




「ア~ブ~サ~ン~いるのは分かってるんだよ~公安が来てやったぞ~~!」


視界には自室床上0cmが広がっていた。

「そうか・・・誰かに殴られたんだっけ・・」

上半身を持ち上げるとズキンと頭部に痛みが走る。痛みの出所を触ってみたが、血は出てなかった。

「お~~い!居留守か~~。玄関蹴り破くぞ~~~w」


紫音さんの声がする。さっきのは公安の人間ではないのか?


「紫音さん。少し待ってください、いま開けますから」


戸を開けると紫音さんと連れの公安の人間が数人いた。

「遅いじゃないかアブサン。居留守は良く無いぞ~~」

「すいません。少し昼寝をしてました」

「あら、そかそか。んじゃ~これ令状ね。これから家宅捜索するのでヨロシク」

「家宅捜索?いまさっきも来ませんでしたか?」

「私が?ここに?」

「ええ。紫音さんがここに」

「来てないなー。令状出たのが今さっきだから」

「そうですか」

「んじゃ、家宅捜索始めるよー」

そういうと、連れの公安職員がワラワラと部屋に侵入し捜索し始めた。

「レントンさん・・・もしかしたら・・・ソフィアさんを国外に逃がしたのは間違いだったかもしれません・・・」

部屋の窓から見えるマルセイユは真っ赤な夕陽に包まれていた。












~~~あとがき~~~



はいw書きました!きちんと書いたよママン!!

いつもの事ながら、構成はピラちゃんの作品を読んだ日に出来上がってはいますが

字にするのが遅い

それが紫音クオリティというやつです( ´艸`)ムッギッギ

今回のは時系列が間違っていないかが不安なところ

たぶん、問題ないはず

まぁ、間違ってても気にしない

そういう風に読むと読みやすいかもしれませんwwwww

問題ないはずだ~~~~~(*´Д`)ハァハァ
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♪役職 女帝w

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